Topic16 of j-kawamura

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日本におけるダウンバースト発生の環境場


 1981年6月から2009年12月までに日本で発生したダウンバースト事例について,発生状況の統計,ならびに非ダウンバースト強雨事例との比較という観点から,ダウンバースト発生時の大気環境場の特徴を調査した.大気環境場の解析にはダウンバースト発生近傍(発生前6時間以内、かつ発生地点から半径60km以内)のラジオゾンデデータ(15事例),気象官署データ,大気再解析データを主に使用した.

 その結果,①ダウンバーストの発生時刻は,東日本で14~16時のピークが明瞭である一方,西日本では明瞭なピークとなる時刻がない,②ダウンバースト発生前には,850~500hPa間の気温減率が大きく,対流圏下層は乾燥している傾向にある,③日本では中層の乾燥度を考慮しない指数の方が、ダウンバースト事例と非ダウンバースト強雨事例の発生前での識別に有効である,④850~500hPa間の気温減率や大気下層の不安定度がダウンバースト事例として比較的安定を示す場合には,鉛直シアーを考慮することでダウンバースト発生の予測精度を改善できる可能性がある,⑤発生前の鉛直シアーの大きさが同程度でかつ下層の不安定度も同程度なダウンバースト事例同士では,総観場や日照時間の条件も類似する傾向にある,⑥日本のダウンバースト発生時の総観場は,米国でのボウエコー発生時の総観場と同様,停滞前線付近または活発な総観規模擾乱を伴わないパターンと,活発な移動性低気圧に伴うパターンとに大別できる,ことが分かった.


*詳細は下記論文を参照してください。

村松貴有・川村隆一,2012: 日本におけるダウンバースト発生の環境場と予測可能性. 天気, 59, 827-845.

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