ビデオゾンデとHYVISによる冬季北陸雪雲の集中観測
2012年12月20日~31日にかけて、新潟県柏崎市でビデオゾンデ(Takahashi,1990)とHYVIS(Murakami and Matsuo,1990)を用いた冬季北陸雪雲の集中観測が行われた。
北陸地方の初冬では「雪おこし」や「鰤おこし」とも呼ばれる激しい雷活動を伴う降雪があることで有名で、その降雪雲の詳細な微物理構造と電気的構造を知ることが
本プロジェクトの目的である。
2009、2010年度の観測プロジェクトに続いて、今回の観測は電力中央研究所と山口大学と九州大学による共同プロジェクトとして実施され
、本研究室からは教員1名と大学院生2名が参加した。本プロジェクトでは、ビデオゾンデによる降雪粒子の測定だけでなく、
ビデオゾンデと結合されたHYVISによる雲粒子の同時測定という初めての試みを行った。
観測期間中のクリスマス寒波と年越し寒波による強い降雪時を中心に、ビデオゾンデとHYVISの同時放球を20回、ビデオゾンデ単独放球を2回実施し、
非常に貴重なデータを取得することが出来た。得られた観測データは現在解析中であり、北陸地方初冬の雪雲の微物理構造や電気的構造の解明が期待されている。
図1 HYVIS(左)とビデオゾンデ(右)。Heガスを充填した気球に取り付けてこれらを放球した。
図2 ビデオゾンデより得られた霰の映像。粒子の帯電符号と帯電電荷量を下部LEDにより表示する。