[被害情報]
2007年(平成19年)1月6日に日本の南海上で発生した低気圧は,急速に発達しながら北北東進し,日本列島に接近した.この低気圧の影響で,少なくとも8県で人的被害,建物被害,交通被害,農林水産被害,ライフライン被害が生じた.
①青森県では,負傷者1名の人的被害が生じた.一部破損52棟の住家被害が生じた.1棟の非住家被害が生じた.建物関係の被害額は31,200千円,農林水産関係の被害額は6,525千円にも及んだ.
②山形県では,軽傷者2名の人的被害が生じた.一部破損2棟の住家被害が生じた.公共建物以外6棟の非住家被害が生じた.農業施設被害額は27,771千円に及んだ.
③新潟県では,重傷者1名,軽傷者1名の人的被害が生じた.一部破損10棟,床下浸水1棟の住家被害が生じた.公共施設9棟,その他32棟の非住家被害が生じた.
④石川県では,落雷による住家の一部破損や,広範囲の停電が発生した.強風による非住家の一部損壊や,高波による海岸堤防の決壊があった.その他,鉄道の運休や,航空機の欠航が相次いだ.
⑤静岡県では,一部破損1棟の住家被害が生じた.水産被害額は415千円に及んだ.
⑥京都府では,7日9時10分頃,京丹後市久美浜町のKTR北近畿タンゴ鉄道の信号機が落雷で故障した他,強風により,一部区間で断続的に運転を見合わせた.このため,特急を含む計13本が遅れ,約130人に影響が出る交通障害が生じた.この他にも南丹地域でスリップ事故が15件発生した.
⑦島根県では,一部破損6棟の住家被害が生じた.破損3棟の非住家被害が生じた.鉄道は,JR山陰線が大田市から鳥取市にかけて18本が運休や部分運休し,22本が遅れ,約2,100人に影響が出た.航空機は,出雲空港発着の東京,大阪,隠岐便などで16便が欠航した.船舶では,隠岐汽船が全便(6便)が欠航した.農林水産被害額4,565千円にも及んだ.強風により,730戸で停電となるライフライン障害が生じた.
⑧香川県では,JR四国で宇多津・坂出〜宇野間の運転を見合わせた他,マリンライナーなど計60本が運休,部分運休となり,高松〜宇野間でフェリーによる代行運転を行った.このため,約7,200人に影響が出た.道路では瀬戸中央自動車道で一時二輪車が通行止めとなった.
[気象・海象状況]
この低気圧の影響で,7日に北海道22地点,青森13地点,秋田15地点,岩手23地点など,北日本の多くの地点で24時間降水量の日最大値が1月1位を記録した.また,オホーツク海側や東北山間部で降雪量が多くなり,網走では7日17時までの24時間降雪量が81 cm,青森で64 cm,十勝で63cmを記録するなど北日本を中心に大荒れの天気となった.