トップページ爆弾低気圧データ2015年09月30日発生の低気圧

爆弾低気圧データ
2015年09月30日発生の低気圧

発生日時: 持続時間:
最大発達率: 2.22(45.0N, 140.0E) 最低中心気圧:
経路
アメダス
850hPa風速

hPa(N,E)

最大発達率2.22の地点

 
天気図
衛星写真
310K渦位
災害情報
[被害情報]
 2015年(平成27年)9月30日に中国大陸上で発生した低気圧は、10月1日から2日にかけて猛烈に発達しながら日本海を北東進した。この低気圧の影響で少なくとも22都道県で死者を含む人的被害、建物被害、交通障害、ライフラインの障害などが発生した。
①北海道では、10月2日に清水町で農業倉庫の屋根から転落して1人が死亡したほか、転倒などにより19人が負傷した。暴風の影響で建物被害や停電が多数発生し、住家被害は半壊9棟、一部損壊314棟、非住家被害は全壊40棟、半壊140棟となった。高潮や高波の影響で釧路港などでは一部が冠水・浸水し、港湾施設の被害も生じた。交通機関に関しては、国道8路線、道道39路線で通行止めとなり、JRの運休や航空機、フェリーの欠航が生じた。
②青森県では、重傷者1人、軽傷者1人の人的被害生じた。住家被害は一部損壊18棟、非住家被害は1棟生じた。JRや青い森鉄道などで運休、青森空港では航空機の欠航が発生した。むつ湾フェリーや津軽海峡フェリーなどにも欠航が生じた。
③岩手県では、住家被害が一部損壊2棟、非住家被害が1棟生じた。JRでは山田線で運休、花巻空港では航空機の欠航が生じた。
④宮城県では、10月2日に南三陸町で飛来物に当たり1人が負傷した。JRでは東北線や仙山線などで計48本が運休し、阿武隈急行では強風で倒れた木による停電のため11本が運休した。仙台空港では航空機4便が欠航となった。
⑤秋田県では、屋根のトタンがはがれるなどして住家の一部損壊が6棟、非住家の一部損壊が9棟生じた。JR羽越線などでは強風のため運休が生じた。
⑥山形県では、JR陸羽東線などで鉄道の運休が生じたほか、航空機に関しては山形空港や庄内空港を発着する計6便が欠航するなどの交通影響が生じた。
⑦千葉県では、千葉市で強風による飛来物に当たり1人が負傷した。住家被害が一部損壊2棟、床下浸水1棟生じた。交通機関においては、JRで京葉線や外房線、内房線で計121本が運休したほか、東京湾アクアラインで約8時間半にわたり通行止め、東京湾フェリー8便が欠航するなどの影響が生じた。
⑧東京都では、10月2日、強風による線路上の落下物のため、JR東海道線など計44本が一時運転を見合わせた。東京と伊豆諸島を結ぶ東海汽船に欠航が生じた。
⑨神奈川県では、川崎市で風にあおられて転倒し1人が負傷した。10月2日に川崎市の中学校の校舎解体工事現場で足場が倒壊し、その影響で電柱2本が傾き周辺の約1000軒が停電した。箱根登山鉄道では、架線への倒木などにより運休が生じた。
⑩新潟県では、負傷者1人の人的被害が生じた。佐渡汽船に欠航が生じた。
⑪富山県では、10月1日に入善町で1人が転倒し重傷となる人的被害が発生した。
⑫石川県では、10月1日に倒木や越波のため、国道2路線と県道1路線で通行止めとなった。
⑬長野県では、安曇野市で住家の一部損壊が1棟生じたほか、上松町で町道の路肩が一部崩落した。交通機関に関しては、国道19号線や県道4路線で通行止めが生じ、JR飯田線では倒木により列車に遅れが発生した。
⑭静岡県では、住家の一部損壊が沼津市で3棟、伊豆の国市で1棟生じた。神新汽船、駿河湾フェリーに欠航が生じた。
⑮愛知県では、10月2日に設楽町で堆肥舎の屋根が強風により破損する被害が生じた。
⑯奈良県では、10月2日に宇陀市の国道166号線で倒木のため通行止めとなったほか、JR和歌山線で運休が生じた。
⑰和歌山県では、和歌山と徳島を結ぶ南海フェリーに欠航が生じた。
⑱鳥取県では、10月1日に大山町で民家のトタン屋根が強風によって飛ばされ、別の民家に当たり一部が破損する建物被害が生じた。
⑲島根県では、隠岐汽船に欠航が生じた。低気圧の通過と満潮が重なったため高潮が発生し、松江市と安来市の計53箇所で高潮被害が生じた。
⑳福岡県では、福岡と長崎県の壱岐や対馬を結ぶ九州郵船などに欠航が生じた。
㉑長崎県では、九州商船や五島産業汽船などに欠航が生じた。
㉒熊本県では、熊本と長崎県の島原を結ぶ熊本フェリーに欠航が生じた。

[気象・海象状況]
 この低気圧の接近に伴い、西日本から北日本にかけて広い範囲で風が強まり、10月2日にかけて北日本を中心に大荒れの天気となった。特に北海道では2日に本泊(利尻空港)で最大風速32.6 m/s、えりも岬で最大風速32.2 m/sを観測するなど猛烈な風が吹き、宗谷地方や上川地方などの9地点で日最大風速の観測史上1位を更新した。海上は北日本を中心に大しけとなり、北海道檜山地方の上ノ国では2日に最大波高10.8 mを観測した。また、1日には長崎県の頭ヶ島(上五島空港)で76.5 mm/h、2日には福井県南越前町今庄で57.5 mm/h(10月の極値更新)を観測するなど局地的に非常に激しい雨が降った。