爆弾低気圧データ
2021年02月14日発生の低気圧
発生日時: | 持続時間: | ||
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最大発達率: | 2.36(38.8N, 143.8E) | 最低中心気圧: |
- 経路
- アメダス
- 850hPa風速
- 天気図
- 衛星写真
- 310K渦位
- 災害情報
[被害情報]
2021年(令和3年)2月14日に南西諸島の東で発生した低気圧は、日本の東を北東進しながら急速に発達した。この低気圧による強風や大雪の影響で少なくとも 16 都道府県で、人的被害、交通障害、建物被害、ライフラインの障害などが発生した。
① 北海道では、新ひだか町で1人、室蘭市で3人の計4人が強風にあおられ転倒した際にけがをするなどの人的被害が発生した。交通障害としては、15日に計40本、16日に特急69本を含む289本、17日に特急50本を含む計213本の列車が運休となったほか、北海道新幹線も新青森―新函館北斗間で上下22本が運休、16日夕方までに北海道発着のJAL28便、ANA20便、AIRDO10便が欠航、津軽海峡フェリー・青函フェリーの15日の深夜便と16日の16往復すべてを欠航、道央道や道東道などの一部区間が通行止め、国道39号の石北峠で車約30台が約4時間半にわたり立ち往生するなどの障害が生じた。建物被害については、17日午後5時までに屋根が飛ばされるなどの住宅の一部損壊は174戸に上った。
② 青森県では、六ケ所村で風にあおられて転倒した男性がひじを骨折する重傷を負うなど、計6人の怪我人が生じるなどの人的被害が発生した。交通障害については、16日に大湊線の全線(野辺地―大湊)で午前の列車が運休、青い森鉄道の浅虫温泉―野辺地間が終日運休したほか、青森空港の発着便が全て欠航した。建物被害は、住家1棟が半壊、160棟が一部損壊、非住家2棟が全壊、5棟が半壊した。また、東通村では漁業に使う船が転覆した。高圧線の断線や漏電などの影響で、延べ1万4188戸が停電するなどのライフライン障害が生じた。
③ 岩手県では、奥州市では除雪作業中の男性1人が死亡しほか、強風の影響で3人がけがをするなどの人的被害が生じた。交通障害については、16日に東北本線や釜石線など6路線で一部運休したほか、東北自動車道や八戸自動車道などが吹雪で一時通行止めが発生、花巻空港発着の定期便と臨時便の全計10便が欠航した。また、遠野市や花巻市で住宅や小屋の屋根が壊れるなど、53件の建物被害が生じた。ライフライン障害については、二戸市や岩泉町などで延べ3300戸あまりが停電した。
④ 秋田県では、由利本荘市で90代女性が強風にあおられて転倒し重傷するなど、少なくとも7人のけが人が生じた。16日には秋田空港の全発着便が欠航したほか、秋田新幹線が午前中に上下4本を運休し、羽越線では秋田-酒田(山形県)間で終日運転を見合わせるなどの交通障害が生じた。公共施設や住宅への被害の合計は約500件におよび、農林水産業への被害額は約2千万円に上った。また、秋田市を含む12市3町で一時、延べ約1万6261戸が停電するなどのライフライン障害が生じた。
⑤ 山形県では、高齢男性2人が強風にあおられて転倒するなどして軽いけがを負うなどの人的被害が生じた。山形空港では臨時の羽田便1往復2便、庄内空港では羽田便1往復2便が欠航したほか、羽越線の酒田以北などで終日運休となるなどの交通障害が生じた。建物被害については、小屋と倉庫の2棟が全壊、市立渡前小学校の体育館のガラスが割れるなど市有17施設で被害があったほか、農業用パイプハウス2棟が吹き飛ばされるなどの被害が生じた。また、酒田市など6市5町で延べ約1万4千戸で停電するなどのライフライン障害が生じた。
⑥ 新潟県では、13人のけが人が生じた。交通障害については、一部の路線や区間の運転を見合わせたほか、北陸道、上信越道の計3カ所で通行止めが生じた。また、新潟市で住宅2軒の壁が破損したほか、上越市では集合住宅が破損、粟島浦村では木製の小屋2軒が倒壊するなどの建物被害が生じた。
⑦ 石川県では、18日に除雪作業のため、特急列車「サンダーバード」、「しらさぎ」の計8本が運休した。
⑧ 福井県では、18日にJR北陸線普通列車で終日、福井駅―敦賀駅間で本数を5割程度に減らすなどの交通障害が生じた。
⑨ 兵庫県では、18日に特急はまかぜ2号を鳥取―豊岡駅間で運休したほか、但馬空港ICと日高北ICの入り口が閉鎖するなどの交通障害が生じた。
⑩ 鳥取県では、18日にJR山陰線で雪による信号トラブルがあり、鳥取―倉吉駅間の下り線で午後1時45分ごろから午後3時半ごろまで運転を見合わせたほか、鳥取空港では午前中の羽田発の1便が欠航、山陰道ではスリップが原因とみられる車同士の正面衝突事故があり、浜村鹿野温泉IC―瑞穂宝木IC間の上下線が、午前7時ごろから約7時間にわたって通行止めとなるなどの交通障害が生じた。
⑪ 島根県では、17日午前9時~18日午前9時にスリップによる事故が82件生じた。
⑫ 山口県では、17日に路面凍結により乗用車や高速バスなど約10台が絡む事故が起き、死者1名、重傷者2名が生じたほか、17日正午~18日午前8時までに、人身事故が3件発生し、計3人が負傷した。また、路面凍結によるスリップが原因の物損事故は250件発生した。
⑬ 愛媛県では、17日に伊予市中山町佐礼谷の国道56号で冬用タイヤを履いていなかったトラックが立ち往生し、4時間半、通行止めとなった。
⑭ 福岡県では、18日に九州道や大分道、長崎道などの一部区間では通行止めしたほか、福岡と九州各地を結ぶ高速バスの多くが運休、山陽新幹線の博多―広島間で始発から徐行運転、福岡空港で欠航が相次ぐなどの交通障害が生じた。
⑮ 佐賀県では、積雪や路面凍結による事故が17日午前8時半からの24時間に人身事故が11件起き、11人が負傷した他、物損事故は118件に上った。また、JR九州が運行する各線で、雪による一部運休や列車の遅れが生じた。
⑯ 鹿児島県では、18日に交通機関の一部で運休や欠航などの交通障害が生じた。[気象・海象状況]
この低気圧の影響で15日から17日にかけて、北・東日本を中心に広い範囲で大荒れとなった。15日には静岡県伊豆市天城山で日降水量が227.5 mmと2月の記録を更新した。16 日には日最大瞬間風速が山形県小国町で36.2 m/s、秋田県北秋田市脇神で29.3 m/sを記録するなど、全国の147地点で日最大瞬間風速の2月の記録を更新した。