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アルゴリズムについて

使用データ

日本周辺の気象要素(海面更正気圧、850hPa水平風速、可降水量)の空間分布図は全て気象庁55年長期再解析(JRA-55)を用いて作成しています。JRA-55の水平解像度は経度1.25º×緯度1.25ºで、6時間間隔のデータです。水平解像度が粗いため、台風中心付近の内部構造までは解像できていないことに注意が必要です。

最大発達率の定義

気象庁のRSMC Best Track Dataに含まれている、熱帯低気圧(台風)の中心気圧を用いて以下の発達率(ε)を計算し、ε[hPa/hr]の最大値を「最大発達率」と定義しています。

ここで、p は海面更正気圧(SLP)、t は時刻(hours)を示しています。発達率は、12時間でどの程度急速にSLPが低下したのかで評価しています。台風の多くは低緯度地域で急発達するため、爆弾低気圧の定義で用いたような緯度補正は特に行っていません。

熱帯低気圧の急発達(rapid intensification: RI)については、24時間での最大風速の増加率で評価しているものが多いですが、中心気圧の低下率を用いている研究もあります。眼の壁雲の組織化や台風中心の高い慣性安定度の領域の形成が、急発達過程に重要な役割を果たすことが指摘されています。

データベースに関する補足

  • 高知大学気象情報頁提供の気象衛星の赤外画像は1996年9月4日以降のため、本データベースの台風情報も1996年から開始しています。
  • ランキングページの最多雨量トップ10、最大風速トップ10はアメダス観測値に基づくランキングです。熱帯低気圧(台風)データに対応させるため6時間毎にアメダスデータを検索していますので、毎時のアメダスデータ全てを利用していないことに注意してください。また、自動検索でランキングを抽出しているため、最多雨量や最大風速をもたらした要因が必ずしも当該の熱帯低気圧(台風)ではない場合がありますので、この点も注意が必要です。
  • 統計グラフには、「最低中心気圧ヒストグラム」と「最大発達率ヒストグラム」が追加されています。

参考文献

  • Kaplan, J., M. DeMaria, and J. A. Knaff, A revised tropical cyclone rapid intensification index for the Atlantic and Eastern North Pacific basins, Weather and forecasting, 25, 220-241, 2010.