台風データ

発生日時: 持続時間:
最大発達率: N, E) 最低中心気圧:
経路
アメダス
850hPa風速

hPa(N,E)

最大発達率の地点(

 
天気図
衛星写真
可降水量
台風の特徴
2019年(令和元年)10月6日午前にトラック諸島近海で発生した台風第19号(HAGIBIS)は西に進み,7日21時にはマリアナ諸島付近で猛烈な勢力となって,進路を北寄りに変えた。その後小笠原諸島の西海上を北上し,進路をやや東寄りに変えて12日午後に伊豆半島に上陸した。関東地方や東北地方南部を通過し,13日12時に温帯低気圧に変わった。
災害情報

この台風により,全国47都道府県で人的被害,住家被害,インフラ被害,交通障害が発生した。

[被害情報]

①北海道では住家被害として4棟の一部損壊が確認された。またインフラ被害として,停電が発生した。交通障害としては,道道で3路線6区間が通行止めになった。また鉄道の運休も発生した他,本州へ向かう船舶を中心に欠航便が発生した。

②青森県では人的被害として,1名の軽傷者が確認された。また,住家被害として1棟の一部損壊,床上浸水7棟,床下浸水9棟が発生した。インフラ被害としては,1921棟で停電が発生した。さらに交通障害として,鉄道の運休,船舶の欠航が発生し,高速道路が通行止めとなった。市町村道の5か所では被害が発生した。

③岩手県では人的被害として,死者3名,重傷者4名,軽傷者3名が確認された。住家被害として,全壊41棟,半壊790棟,一部損壊788棟,床上浸水144棟,床下浸水953棟が発生した。インフラ被害としては1万500戸で停電が,1972戸で断水が発生したた。さらに交通障害として,鉄道の運休が発生し,長期運休も発生した。また高速道路や国道など,多くの区間で盛土崩落や土砂崩落などにより通行止めとなった。

④宮城県では人的被害として,死者19名,行方不明者2名,重傷者28名,軽傷者35名が確認された。また住家被害として全壊302棟,半壊2997棟,一部損壊2860棟,床上浸水1614棟,床下浸水1万2151棟が発生した。インフラ被害としては停電が発生した他,断水が4144戸で発生した。そして交通障害としては鉄道や船舶の運休が発生し,線路への土砂流入の被害も確認された。さらに高速道路や国道などを含めて,土砂崩れや法面崩落などの被害が多数発生した。

⑤秋田県では住家被害として,8軒の一部損壊が発生した。インフラ被害としては,1778戸で停電が発生した。また交通障害として,鉄道の運休が発生した。さらに高速道路が通行止めとなり,県道では土砂災害が発生した。

⑥山形県では人的被害として,重傷者2名,軽傷者1名が発生した。住家被害としては,全壊1棟,半壊5棟,一部損壊33棟,床上浸水65棟,床下浸水98棟が発生した。インフラ被害として5643戸で停電が発生した。さらに交通障害として,道路の140路線195か所で路肩欠損,法面崩落,土砂流出等の被害が発生した。また高速道路の通行止めや,鉄道の運休,船舶の欠航が発生した。

⑦福島県では人的被害として,死者35名(関連死5名を含む),重傷者1名,軽傷者56名が確認された。住家被害としては,全壊1489棟,半壊1万2560棟,一部損壊6977棟,床上浸水1161棟,床下浸水443棟が確認された。インフラ被害として,停電が発生し,約7万5000戸で断水が発生した。さらに交通障害として,福島空港では航空便の欠航が発生した。また,高速道路や国道などで通行止めの区間が多数発生し,冠水や土砂崩れの被害も出た。鉄道の運休も発生した。

⑧茨城県では人的被害として,死者2名,行方不明者1名,軽傷者20名が確認された。住家被害としては,全壊146棟,半壊1599棟,一部損壊1461棟,床上浸水13棟,床下浸水350棟が確認された。またインフラ被害として,停電が最大5万3600戸で発生し,断水も2万7000戸以上で発生した。交通障害として,茨城空港発着の航空便や,船舶の欠航が発生した。さらに高速道路や国道などの通行止めや路肩崩壊や土砂流出の被害が発生した。鉄道においては橋梁流出の被害も出た。

⑨栃木県では人的被害として,死者4名,重傷者4名,軽傷者19名が発生した。住家被害としては,全壊83棟,半壊5223棟,一部損壊8666棟,床上浸水2棟,床下浸水133棟が確認された。またインフラ被害として停電が発生し,断水も1万3183戸で発生した。交通障害としては,鉄道の運休が発生し,線路への被害も出た。さらに高速道路や国道,県道などでも土砂流入などの被害が相次ぎ,168か所で全面通行止めとなった。

⑩群馬県では人的被害として,死者4名,重傷者1名,軽傷者8名が発生した。住家被害としては,全壊22棟,半壊296棟,一部損壊572棟,床上浸水22棟,床下浸水112棟が確認された。またインフラ被害として,最大6800戸で停電が発生し,断水も4950戸で発生した。交通障害として,土砂流出や倒木,冠水などにより道路の通行止めや被害が相次いだ。また鉄道の運休が発生し,線路への土砂流入などの被害も出た。

⑪埼玉県では人的被害として,死者4名(関連死1名を含む),重傷者1名,軽傷者32名が発生した。住家被害としては,全壊134棟,半壊541棟,一部損壊699棟,床上浸水2369棟,床下浸水3387棟が確認された。またインフラ被害として,停電が発生し,断水も1727戸で発生した。交通障害としては,鉄道の運休や高速道路などの通行止め,土砂流出などの被害が発生した。

⑫千葉県では人的被害として,死者1名,重傷者3名,軽傷者23名が確認された。また,住家被害として,全壊32棟,半壊270棟,一部損壊5665棟,床上浸水25棟,床下浸水70棟が確認された。インフラ被害としては,最大13万4200戸で停電が発生し,断水が2310戸で発生した。さらに交通障害として,鉄道や船舶の運休が発生した。成田空港では,12日から14日にかけて合わせて1119便が欠航した。高速道路や一般道路でも,大雨や倒木により通行止めや被害が発生した。なお、市原市では竜巻での被害も発生した。

⑬東京都では人的被害として,死者1名,軽傷者1名が発生した。住家被害としては,全壊36棟,半壊661棟,一部損壊1034棟,床上浸水318棟,床下浸水532棟が発生した。またインフラ被害として停電が発生し,断水も3426戸で発生した。交通障害としては,鉄道や船舶の運休が発生し,羽田空港を発着する航空便の欠航も相次いだ。さらに首都高速、国道など道路の通行止めが発生し,法面崩落などの被害も出た。

⑭神奈川県では人的被害として,死者9名,重傷者3名,軽傷者35名が発生した。住家被害としては,全壊54棟,半壊826棟,一部損壊2499棟,床上浸水877棟,床下浸水579棟が確認された。またインフラ被害として,停電が発生し,断水も1万4111戸で発生した。交通障害としては鉄道や船舶の運休が発生した。さらに高速道路や国道などで通行止めとなり,被害も発生した。

⑮新潟県では人的被害として2名の重傷者と3名の軽症者が確認された。また住家被害として,全壊3棟,半壊9棟,一部損壊48棟,床上浸水25棟,床下浸水278棟が確認された。インフラ被害としては,2万5455戸で停電が発生した。交通障害としては,鉄道や船舶の運休が発生した。また高速道路や国道などが通行止めとなり,79路線111か所で地滑りやがけ崩れなどの被害が発生した。

⑯富山県では人的被害として重傷者1名が確認された。また住家被害として6棟の一部損壊が確認された。インフラ被害としては,停電が発生した。さらに交通障害として,道路では越波や法面崩壊の被害が発生した。鉄道の運休も発生し,倒木の被害が出た。

⑰石川県では人的被害として重傷者1名が確認された。また住家被害として1棟の一部損壊が確認された。インフラ被害としては,停電が発生した。さらに交通障害として船舶や鉄道の運休が発生した。

⑱福井県では人的被害として重傷者1名が確認された。

⑲山梨県では人的被害として軽症者1名が確認された。また住家被害として全壊2棟,半壊3棟,一部損壊74棟,床上浸水1棟,床下浸水6棟の被害が発生した。インフラ被害としては,停電のほか,457戸で断水が発生した。さらに交通障害として鉄道の運休や線路への土砂流入が発生し,高速道路や一般道の通行止めが発生し,土砂流入や路肩崩壊の被害が発生した。

⑳長野県では人的被害として死者5名,重傷者6名,軽傷者39名が確認された。住家被害として全壊920棟,半壊2505棟,一部損壊3479棟,床上浸水5棟,床下浸水1407棟が確認された。インフラ被害としては,5万9620戸で停電が発生したほか,5097戸で断水が発生した。交通障害としては航空便の欠航が発生した。鉄道の運休も発生し,橋梁流出などの大きな被害が出た。道路においても高速道路など多くの箇所で法面崩落や土砂流出などの被害が発生した。

㉑岐阜県では住家被害として11棟の一部損壊が発生した。インフラ被害としては1600戸で停電が発生した。また交通障害として,鉄道の運休が発生した。

㉒静岡県では人的被害として関連死1名を含む死者3名,重傷者2名,軽傷者5名が確認された。また,住家被害として全壊8棟,半壊12棟,一部損壊495棟,床上浸水967棟,床下浸水1312棟が確認された。インフラ被害として停電が最大約51000戸,断水が11665戸で発生した。交通障害としては航空便の欠航,鉄道の運休が発生した。道路も土砂流出や越波などにより通行止めが相次いだ。

㉓愛知県では人的被害として1名の軽傷者が確認された。また住家被害として1棟の一部損壊が確認された。インフラ被害として830戸で停電が発生した。交通障害としては,鉄道や船舶の運休が発生し,道路でも倒木などの被害が出た。

㉔三重県では人的被害として3名の軽傷者が確認された。また住家被害として,半壊3棟,一部損壊23棟,床上浸水50棟,床下浸水64棟が確認された。そしてインフラ被害として490戸で断水が発生し,9930戸で停電が発生した。交通障害としては,鉄道や船舶の運休が発生し,高速道路などの通行止めが発生した。

㉕滋賀県では人的被害として3名の軽傷者が確認された。また住家被害として半壊1棟,一部損壊10棟が確認された。インフラ被害としては,最大約1000戸で停電が発生した。さらに交通障害としては,鉄道の運休が発生した。

㉖京都府では人的被害として重傷者1名,軽傷者3名が確認された。また住家被害として,8棟の一部損壊が確認された。インフラ被害としては,最大7300戸で停電が発生した。さらに交通障害としては,

㉗大阪府では人的被害として8名の軽傷者が確認された。また,インフラ被害として停電が発生した。交通障害としては鉄道や船舶の運休が発生した。

㉘兵庫県では人的被害として死者1名,軽傷者14名が確認された。住居被害としては,4棟の一部損壊が確認された。またインフラ被害として1700戸で停電が発生した。交通障害としては鉄道や船舶の運休,航空便の欠航や都市高速道などの通行止めが発生した。

㉙奈良県では人的被害として,軽傷者1名が確認された。住居被害としては,3棟の床下浸水が発生した。またインフラ被害として停電が発生した。交通障害としては鉄道の運休や道路の通行止めが発生した。

㉚和歌山県では人的被害として軽傷者1名が発生した。住家被害としては,1棟の床上浸水が確認された。またインフラ被害として停電が発生した。交通障害としては鉄道、船舶の運休,航空便の欠航が発生した,

㉛鳥取県では人的被害として,軽傷者1名が確認された。住家被害としては,3棟の一部損壊が確認された。またインフラ被害として2万3130戸で停電が発生した。さらに交通障害として,鉄道の運休,航空便の欠航が発生し,高速道路が通行止めとなった。

㉜島根県ではインフラ被害として5500戸で停電が発生した。交通障害として,鉄道や船舶の運休が発生し航空便48便の欠航が発生した。

㉝岡山県では人的被害として,軽症者1名が確認された。また住家被害として2棟の一部損壊が確認された。インフラ被害としては2600戸で停電が発生した。さらに交通障害として鉄道や船舶の運休が発生し,航空便の22便が欠航した。

㉞広島県では人的被害として,軽傷者2名が確認された。また住家被害として2棟の一部損壊が確認された。インフラ被害としては停電が発生した。さらに交通障害として鉄道や船舶の運休が発生した。

㉟山口県では人的被害として,重傷者1名が確認された。また交通障害として鉄道や船舶の運休が発生した。

㊱徳島県では人的被害として,軽傷者1名が確認された。またインフラ被害として停電が発生した。交通障害として鉄道や船舶の運休,航空便の欠航,道路の通行止めが発生した。

㊲香川県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊳愛媛県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊴高知県では人的被害として,軽傷者2名が確認された。住家被害としては,一部損壊1棟,床下浸水3棟が確認された。またインフラ被害として堤防の損壊による断水や停電が発生した。さらに交通障害として国道の通行止めが発生した。

㊵福岡県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊶佐賀県では人的被害として,軽傷者2名が確認された。また交通障害として船舶の運休が発生した。

㊷長崎県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊸熊本県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊹大分県では人的被害として,軽傷者2名が確認された。また交通障害として船舶の運休が発生した。

㊺宮崎県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊻鹿児島県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

㊼沖縄県では交通障害として,船舶の運休が発生した。

[気象・海象状況]

10月10日に,小笠原諸島の父島で最大風速21.4 m/s,最大瞬間風速39.2 m/sを観測した。台風が北上し,11日には25日には東京都八丈島八重見ヶ原で,最大瞬間風速37.0 m/sを観測した。12日には東京都大田区羽田で観測史上最高の最大風速34.8 m/sを記録し,東京都神津島で最大瞬間風速44.8 m/sを記録した。この台風により,10地点で最大風速の極値を更新し,14地点で最大瞬間風速の極値を更新した。

雨量も多くなり,12日には神奈川県箱根町で日降水量922.5 mmを記録し,全国の観測地点での極値を更新した。さらに13日には岩手県普代村で95.0 mm/hを観測するなど各地で大雨となり,全国9地点で1時間雨量の年間の極値,103地点で24時間雨量の年間の極値を更新した。

静岡県南伊豆町石廊崎で過去最高の潮位,200 cmを記録するなど,各地で高潮も発生した。