台風データ

発生日時: 持続時間:
最大発達率: N, E) 最低中心気圧:
経路
アメダス
850hPa風速

hPa(N,E)

最大発達率の地点(

 
天気図
衛星写真
可降水量
台風の特徴
2020年(令和2年)8月31日,小笠原諸島近海で発生した台風第10号(HAISHEN)は南西へ進み, 2日ごろから進路を北西に変えた。4日21時に猛烈な勢力となり,5日には非常に強い勢力で大東島地方に接近した。6日から7日にかけて九州の西を北上し,7日午前に朝鮮半島に上陸した。7日午後に朝鮮半島北部に再上陸した後,8日に温帯低気圧へ変わった。
災害情報

[被害情報]

この台風や台風周辺の暖湿気の影響で,少なくとも26府県で人的被害,住家被害,インフラ障害,交通障害などが生じた。

①神奈川県では住家被害として一部損壊1棟,床下浸水1棟の被害が発生した。交通障害として相模原市で道路損壊が発生した。

②山梨県では交通障害として鉄道の運休が発生した。

③静岡県では住家被害として一部損壊2棟が確認された。また交通障害として船舶の欠航が発生した。

④愛知県では住家被害として床上浸水23棟,床下浸水143棟,交通障害として新幹線をはじめとした鉄道の運転見合わせが発生した。

⑤三重県では住家被害として一部破損1棟,床上浸水7棟,床下浸水83棟が確認された。またインフラ障害として約4900戸で停電が発生したほか,交通障害として鉄道の運休や伊勢湾を航行する船舶に欠航が発生した。

⑥滋賀県では住家被害として一部破損1棟の被害が確認された。また交通障害として鉄道の運休が発生した。

⑦大阪府では交通障害として,九州方面の航空便に欠航便が発生した。

⑧兵庫県では人的被害として重傷者2名,軽傷者6名,住家被害として一部破損1棟が確認された。またインフラ障害として約24000戸で停電が発生した。交通障害としては強風により明石海峡大橋や大鳴門橋が通行止めとなり,鉄道の運休や船舶の欠航も発生した。

⑨和歌山県では人的被害として重傷者1名が発生した。またインフラ障害として約7300棟で停電が発生した。交通障害として航空便の欠航が発生した。

⑩鳥取県では交通障害として鉄道の運休や航空便の欠航が発生した。また倒木による国道の通行止めが発生した。

⑪島根県では人的被害として軽傷者1名が発生し,住家被害として一部破損2棟,床下浸水1棟の被害が確認された。交通障害としては隠岐と本土を結ぶ船舶,航空便の欠航や鉄道の運休が発生した。

⑫岡山県では人的被害として軽傷者1名,住家被害として一部破損2棟が確認された。交通障害として倒木などによる鉄道の運休,遅れや航空便,船舶の欠航が発生した。

⑬広島県では人的被害として軽傷者2名,住家被害として一部破損3棟が発生した。またインフラ障害として停電が発生した。交通障害として広島空港を発着する航空便全便や瀬戸内海を航行する船舶の多くに欠航が発生したほか,国道の通行止めも発生した。

⑭山口県では人的被害として軽傷者7名,住家被害として半壊2棟,一部破損6棟の被害が確認された。またインフラ障害として延べ15万8000戸で停電が発生した。交通障害としては強風のため高速道路の通行止めが発生し,船舶や航空便の欠航が発生した。さらに県内の鉄道は終日全ての列車が運休した。

⑮徳島県では人的被害として重傷者1名,軽傷者6名,住家被害として一部損壊11棟の被害が確認された。インフラ障害として約1200戸で停電が発生した。交通障害として鉄道の運休や7日に徳島空港を発着する航空機全便,船舶の欠航が発生した。

⑯香川県では交通障害として高松空港を7日に発着する全便が欠航したほか,船舶も欠航が発生した。さらに飛来したトタン屋根の影響で国道の通行止めも発生した。

⑰愛媛県では人的被害として軽傷者1名,住家被害として一部損壊2棟が確認された。またインフラ障害として約6500戸で停電が発生したほか,断水や電話不通も発生した。交通障害としては高速道路で冠水による通行止めの発生や倒木や家屋倒壊により道路がふさがれた他,鉄道の運休,瀬戸内海の島々を結ぶ船舶,航空便にも欠航が発生した。

⑱高知県ではインフラ障害として約21000戸で停電が発生した。また交通障害として倒木や土砂崩れによる道路の規制が発生した。また鉄道の運休,航空便の欠航が発生した。

⑲福岡県では人的被害として軽傷者14名,住家被害として半壊1棟,一部破損195棟が発生した。インフラ障害としては1万2730戸で停電が発生した。交通障害として福岡空港で7日に離発着するほとんどの便が欠航したほか,鉄道の運休,高速道路の通行止めやその他陥没などの道路被害が発生した。

⑳佐賀県では人的被害として死者1名,重傷者2名,軽傷者5名,住家被害として一部破損40棟が確認された。インフラ障害として最大26780戸で停電が発生した他,交通障害として鉄道の運休,国道や県道で倒木や土砂崩れなどによる通行止めが発生した。

㉑長崎県では人的被害として重傷者2名,軽傷者4名,住家被害として全壊4棟,半壊15棟,一部破損24棟の被害が確認された。そしてインフラ障害としてピーク時に17万戸以上で停電が発生した。交通障害として長崎空港を7日に発着する航空便が全て欠航し,ターミナルも閉鎖された他,離島を結ぶ船舶も欠航した。また鉄道の運休が発生し,高速道路や国道なども通行止めとなった。

㉒熊本県では人的被害として重傷者6名,軽傷者16名,住家被害として半壊2棟,一部破損10棟が発生した。またインフラ障害として2万5000戸で停電が発生した。交通障害として離島を結ぶ船舶の欠航,鉄道の運休や高速道路の通行止めが発生した。

㉓大分県では人的被害として重傷者1名,軽傷者1名,住家被害として一部破損53棟が発生した。インフラ障害として最大1万8750世帯で停電が発生したほか,交通障害として航空便や船舶の欠航,高速道路や国道,県道が事前規制や倒木などにより通行止めとなった。

㉔宮崎県では人的被害として死者1名,行方不明者3名,重傷者2名,軽傷者5名が確認されたほか,住家被害として全壊2棟,一部破損6棟,床下浸水5棟が確認された。インフラ障害として5万7000戸で停電が発生し,交通障害として神戸に向かうフェリーが欠航した他,国道や県道で倒木や路肩欠損などによる通行止めが発生した。

㉕鹿児島県では人的被害として死者1名,重傷者3名,軽傷者11名,住家被害として全壊1棟,半壊20棟,一部破損1276棟,床上浸水1棟,床下浸水3棟の被害が確認された。またインフラ障害として約26万戸で停電が発生し,断水も発生した。交通障害として倒木や事前交通規制による国道や県道の通行止め,鉄道の運休,離島を結ぶ船舶の欠航が発生した。また,離島の住民が本土に避難するなど大きな影響が出た。

㉖沖縄県では住家被害として一部破損1棟の被害が発生した。またインフラ障害として5100棟で停電が発生した。交通障害としてゆいレールで運休が発生し,航空便や島々を結ぶ船舶に欠航が発生した。

[気象・海象状況]

5日に台風は大東島地方に接近し,南大東島では最大風速31.7 m/s,最大瞬間風速51.6 m/sを観測した。その後台風は奄美地方から九州の西海上を北上した。6日には鹿児島県枕崎市で最大風速30.2 m/s,最大瞬間風速45.9 m/s,7日には長崎県長崎市野母崎で最大風速44.2 m/s,最大瞬間風速59.4 m/sを観測するなど九州を中心に風が強まり,9地点で最大風速の極値を,33地点で最大瞬間風速の極値を更新した。一方,6日には鹿児島県十島村平島で1時間に71.0 mm,長崎県五島市福江では1時間に88.0 mmの雨量を記録した他,6日23時までの24時間に,宮崎県美郷町神門で522.5 mmの雨量を観測した。また台風周辺の暖湿気が流入し,本州や四国の太平洋側でも大雨となった。7日には愛知県蟹江町では1時間に59.0 mmの雨量を観測した。最大有義波高は屋久島で10.43 mに達し,奄美3分平均値の最高潮位は216 cmであった。