台風データ

発生日時: 持続時間:
最大発達率: N, E) 最低中心気圧:
経路
アメダス
850hPa風速

hPa(N,E)

最大発達率の地点(

 
天気図
衛星写真
可降水量
台風の特徴
2022年(令和4年)7月1日午前3時に日本の南で発生した台風4号(AERE)は,ゆっくりと北上し,2日に沖縄本島に上陸した後,4日に進路を東寄りに変えて九州地方に接近した。5日午前6時前に長崎県佐世保市付近に上陸し,午前9時には温帯低気圧に変化した。その後は四国地方と紀伊半島を横断し,7日~8日に関東の東海上で停滞しながら再発達した。9日以降は進路を変えて東北沖を北上した。
災害情報

[被害状況]

この台風と台風から変わった温帯低気圧の影響で,少なくとも24都県で人的被害や住家被害,交通・インフラ障害が発生した。

① 青森県では,住家被害として床上浸水1棟,床下浸水3棟が確認された。

② 山形県では,交通障害として国道121号(米沢市)で法面崩落による通行止めが発生した。

③ 栃木県では,住家被害として4棟で一部破損が確認された。

④ 千葉県では,交通障害としてJR久留里線の一部区間で運休となった。

⑤ 富山県では,住家被害として床下浸水が1棟確認された。

⑥ 福井県では,住家被害として床上浸水2棟,床下浸水が11棟確認された。

⑦ 長野県では,国道152号(伊那市)で土砂流出による通行止めが発生した。

⑧ 岐阜県では,住家被害として床下浸水が1棟確認された。

⑨ 愛知県では,住家被害として床下浸水が5棟確認された。

⑩ 京都府では,住家被害として床上浸水1棟,床下浸水が32棟確認された。交通障害としてE9京都縦貫自動車道(京丹波みずほIC-京丹波わちIC間)で土砂流入による通行止めが発生した。

⑪ 和歌山県では,交通障害として紀勢自動車道で一部通行止め(南紀白浜IC-日置川IC間),県道中芳養南部線で倒木による通行止め,JR西日本で運転見合わせ(新宮-御坊間)が発生した。

⑫ 兵庫県では,住家被害として床下浸水が5棟確認された。交通障害としてJR姫新線(播磨新宮-美作土居間)で運転見合わせとなった。

⑬ 岡山県では,住家被害として床下浸水が2棟確認された。

⑭ 愛媛県では,住家被害として床上浸水が1棟確認された。交通障害として県道で崩土と倒木による通行止め,JR予土線(近永-窪川間)で運転見合わせ,船舶(南予-九州)の一部欠航が発生した。

⑮ 徳島県では,国道193号(那賀郡那賀市)で倒木による通行止めが発生した。

⑯ 高知県では,4つの河川が氾濫し,住家被害として全壊1棟,床上浸水16棟,床下浸水49棟が確認された。交通障害として国道56号(高岡郡中土佐町)で土砂流入による通行止め,国道56号(須崎市)で冠水による通行止め,国道439号(高岡郡梼原町中平および島中)で土砂崩れによる通行止め,県道の7区間でも通行止めが発生した。また,JR土讃線の特急(高知-窪川間)と普通(須崎-窪川間),予土線(窪川-江川崎間),土佐くろしお鉄道中村線と宿毛線の特急と普通列車,ごめん・なはり線(安芸-奈半利間)で運転見合わせとなった。

⑰ 福岡県では,住家被害として床上浸水11棟,床下浸水48棟が確認された。交通障害として冠水により国道や県道の8か所で通行止めが発生したほか,JR特急16本の減便(博多-佐賀・長崎2本,博多-大分10本,博多-由布院・別府間4本),JR鹿児島本線(羽犬塚-玉名間)及び西日本鉄道天神大牟田線(西鉄柳川-大牟田間)で運転見合わせ,天草エアラインで12便の欠航(福岡-天草間),野母商船で2便の欠航(博多-五島間),福岡市営渡船で2便の欠航(姪浜-小呂島間)が発生した。

⑱ 佐賀県では,交通障害として松浦鉄道(有田-佐世保間)で運転見合わせが発生した。

⑲ 長崎県では,交通障害としてフェリー(佐世保-五島間)や九州商船の高速船で16便の欠航が発生した。

⑳ 熊本県では,交通障害としてJR特急(熊本-別府間4本,熊本-宮地間2本)の運休,JR豊肥本線(熊本-水前寺間)及びJR三角線(宇土-三角間)で運転見合わせが発生した。インフラ障害として,落雷による停電が一時発生し,熊本市内の信号機が4か所停電した。

㉑ 大分県では,交通障害としてJR特急の運休のほか,宇和島運輸フェリー(別府・臼杵港-八幡浜港),九四オレンジフェリー(臼杵港-八幡浜港)で一部運休となった。

㉒ 宮崎県では,住家被害として床下浸水が4棟確認された。宮崎市で道路の冠水や日南市で土砂崩れが発生した。交通障害として国道220号(小内海-伊比井間,宮浦-風田間),東九州自動車道(日南北郷IC-日南東郷IC間),県道の1区間で路肩崩落による通行止めが発生した。また,JR特急(宮崎-鹿児島中央間)で8本の運休,JR日南線で運休(青島-志布志間)や減便(南宮崎-青島間)が発生した。

㉓ 鹿児島県では,土砂災害が1件発生した。交通障害として県道の1区間で倒木による通行止めが発生した。

㉔ 沖縄県では,人的被害として軽傷者1名が確認された。交通障害として航空機6便,船舶49便(本島-周辺離島間,那覇-鹿児島間)が欠航となった。

[気象・海象状況]

7月2日,台風は沖縄県に接近し,沖縄県北大東島で26.2 m/sの最大瞬間風速を観測した。3日,台風は沖縄県付近の海上に位置していたものの,大気の状態が不安定であったため日本の広い範囲で雨となった。兵庫県柏原で日雨量164.5 mm,京都府須知で161.5 mmといずれも7月の観測史上最大を更新した。最大1時間雨量は,兵庫県柏原で84.0 mm(7月の観測史上最大),京都府須知で74.0 mm(観測史上最大),福井県福井で70.0 mm,愛知県一宮で 59.5 mmを観測し,福井県,愛知県,京都府に記録的短時間大雨情報が発表された。4日も,台風の影響は広範囲に及び,高知県窪川で日雨量375.0 mm,愛媛県御荘で225.0 mm(7月の観測史上最大)を観測した。最大1時間雨量としては,高知県窪川で91.0 mm(観測史上最大)を記録した。5日は,北日本も含めて全国的に雨となり,和歌山県潮岬で日雨量199.5 mm,東京都八丈島で152.5 mmを観測した。最大1時間雨量は,福岡県大牟田で85.0 mm(7月の観測史上最大),熊本県三角で65.5 mm,東京都大島北ノ山で51.5 mm(7月の観測史上最大),青森県大鰐で51.5 mm(観測史上最大),長崎県雲仙岳で46.5 mmを記録し,北海道,青森県,福岡県,熊本県,長崎県に記録的短時間大雨情報が発表された。さらに,高知県には顕著な大雨に関する情報が発表され,線状降水帯により須崎市で午前1時過ぎまでで208.0 mm/3h(観測史上最大)を記録した上に,午前2時までで350 mm/12hを超え(観測史上最大),四万十町でも194.5 mm/3h(観測史上最大)の非常に激しい雨を観測した。