台風データ

発生日時: 持続時間:
最大発達率: N, E) 最低中心気圧:
経路
アメダス
850hPa風速

hPa(N,E)

最大発達率の地点(

 
天気図
衛星写真
可降水量
台風の特徴
2022年(令和4年)9月14日午前3時に日本の南で発生した台風14号(NANMADOL)は,初め停滞していたが,15日頃から急速に発達しながら北西へ進んだ。18日に鹿児島県に上陸し,日本列島を横断した。その後,20日に新潟県に再上陸し,午前3時に東北沖で温帯低気圧に変化した。
災害情報

[被害状況]

この台風の影響で,少なくとも30都府県に人的被害や住家被害,交通・インフラ障害被害が発生した。

① 秋田県では,人的被害として軽傷者1名が,住家被害としては,一部破損1棟が確認された。

② 埼玉県では,住家被害として一部破損3棟,床下浸水2棟が確認された。交通関係では,国道1か所で車線規制,県道2か所で通行止めが発生した。

③ 千葉県では,人的被害として軽傷者1名が確認された。交通関係では,JR内房線と鹿島線で強風のため運転見合わせとなった。東京湾アクアラインの一部区間でも通行止めが発生した。

④ 東京都では,住家被害として一部破損2棟が確認された。交通障害として,東京メトロ東西線(高田馬場-日本橋間)で線路の冠水により一時運転見合わせとなった。

⑤ 神奈川県では,人的被害として軽傷者1名が,住家被害としては,一部破損2棟,床上浸水1棟が確認された。

⑥ 福井県では,住家被害として一部破損4棟が確認された。交通関係では,JR特急で迂回運転が実施された。インフラ障害として,越前市と美浜町で約120戸が停電した。

⑦ 岐阜県では,人的被害として軽傷者2名が,住家被害として一部破損1棟が確認された。交通障害として,県道の6か所で通行止めが発生した。JRの在来線・特急では一部運休や遅れが発生し,路線バスや高速バスも一部運休となった。

⑧ 愛知県では,人的被害として重傷者1名,軽傷者6名が確認された。交通障害として,JR東海道新幹線(名古屋-新大阪間)で運転取りやめ,同(東京-名古屋間)では減便となった。

⑨ 三重県では,人的被害として軽傷者2名が,住家被害として一部破損4棟が確認された。交通障害として,伊勢湾岸道,国道や県道,伊勢志摩スカイラインの一部で通行止めが発生した。JRの在来線の一部で運転見合わせとなったほか,伊勢湾フェリーなどの船舶も一部運休となった。インフラ障害として,県内約600戸で停電が発生した。

⑩ 大阪府では,住家被害として一部破損1棟が確認された。

⑪ 兵庫県では,人的被害として重傷者2名,軽傷者9名が確認された。住家被害としては,一部破損10棟が確認された。交通障害として,国道4か所,県道14か所,神戸淡路鳴門自動車道の一部区間で通行止めになった。JR山陽新幹線や各在来線も運休となり,各私鉄や神戸市営地下鉄でも運休が発生した。高速バスや連絡船が運休となった。インフラ障害として,最大約8400戸が停電した。

⑫ 奈良県では,住家被害として一部破損1棟が確認された。交通障害として,国道や県道の複数区間で,大雨により通行止めが発生した。

⑬ 和歌山県では,人的被害として重傷者3名,軽傷者2名が確認された。住家被害としては,一部破損1棟が確認された。交通関係では,JRで計画運休が行われた。

⑭ 鳥取県では,人的被害として軽傷者1名が確認された。交通関係では,JRの在来線・特急の複数区間で運転見合わせや運休となり,さらに遅れも発生した。路線バスや高速バスも運休が相次ぎ,隠岐汽船のフェリーと高速船も欠航となった。インフラ障害として,約2万2千戸で停電が発生した。

⑮ 島根県では,住家被害として一部破損3棟,床下浸水6棟が確認された。交通関係では,国道の一部区間で倒木による通行止めが発生したほか,JRの各在来線や特急列車で運転見合わせが発生した。インフラ障害として,松江市と大田市で約1040戸が停電した。

⑯ 岡山県では,人的被害として重傷者1名,軽傷者6名が確認された。住家被害としては,半壊2棟,一部破損14棟,床下浸水2棟が確認された。交通障害として,県道7か所で通行止め,岡山ブルーライン(蕃山-君津間)で通行規制,鷲羽山公園線(菰池-児島宇野津間)で全面通行止め,下原船穂線(川辺-柳井原間),藤原吉井線(河原屋-周匝間)で倒木による通行規制が行われた。インフラ障害として,県内各地の約3万3780戸で停電が発生した。

⑰ 広島県では,人的被害として死者1名,軽傷者1名が確認された。住家被害としては,一部破損15棟,床下浸水8棟が確認された。交通関係では,強風により山陽自動車道や広島岩国道路,中国自動車道で通行止め,国道2号では越波による通行止めが発生した。JR山陽新幹線で遅れや運休,各在来線も一部運休となった。航空機も国内線・国際線ともに欠航となった。インフラ関係では,県内約3万7千戸で停電が発生した。

⑱ 山口県では,人的被害として軽傷者1名が確認された。住家被害としては,半壊13棟,一部破損6棟,床上浸水1棟,床下浸水36棟が確認された。交通障害として,JR山陽新幹線と県内すべての在来線で運休となった。インフラ障害として,県内約6万戸が停電した。

⑲ 徳島県では,人的被害として軽傷者8名が確認された。交通関係では,JRで一部運休,阿佐海岸鉄道で運転見合わせ,高速バスやフェリーの一部運休・欠航も発生した。インフラ障害としては,県内約120戸で停電が発生した。

⑳ 香川県では,人的被害として軽傷者2名が,住家被害としては,一部破損6棟が確認された。交通関係では,JRの全区間で運転見合わせとなった。

㉑ 愛媛県では,人的被害として重傷者1名,軽傷者が確認された。住家被害としては,一部破損26棟,床下浸水2棟が確認された。交通障害として,JRで運転見合わせ,伊予鉄道で一部運休,九州・中国・関西方面への船舶や松山空港発着の航空機もほぼ欠航となった。

㉒ 高知県では,人的被害として死者1名,軽傷者7名が,住家被害としては,一部破損14棟が確認された。交通関係では,JR高知駅発着の列車が運転見合わせ,高知自動車道(須崎東―四万十町中央間)で通行止めとなった。インフラ関係では,最大9万5700戸で停電が発生した。

㉓ 福岡県では,人的被害として軽傷者21名が確認された。住家被害としては,半壊2棟,一部破損61棟,床上浸水1棟,床下浸水1棟が確認された。交通障害として,JR九州新幹線(博多-熊本間)で運転見合わせ,各特急列車・在来線も運休や運転見合わせとなった。西日本鉄道も各路線の一部区間で運転見合わせ,高速バスも運休となった。福岡市地下鉄でも各路線で運転見合わせとなった。また,福岡空港や北九州空港発着の航空機の一部が欠航となった。

㉔ 佐賀県では,人的被害として重傷者3名が,住家被害としては,一部破損7棟が確認された。交通障害として,県道の複数路線のほか,県内全域の高速道路で通行止めとなった。JR九州新幹線・在来線で運転見合わせ,松浦鉄道は運休した。各路線バスも運行見合わせとなり,佐賀空港では多くの便が欠航となった。インフラ障害として,一部地域で停電が発生した。

㉕ 長崎県では,人的被害として軽傷者7名が,住家被害としては,一部破損2棟が確認された。交通障害として,JR長崎線,佐世保線,大村線,島原鉄道や松浦鉄道も運転見合わせとなり,長崎市の路面電車も運転見合わせとなった。長崎空港発着のほとんどの便が欠航,五島列島へのフェリーや高速船も欠航となった。インフラ障害として,平戸市,佐世保市,古藤市を中心に約4万8200戸で停電が発生した。

㉖ 熊本県では,人的被害として軽傷者11名が確認された。住家被害としては,全壊1棟,半壊1棟,一部破損65棟,床上浸水3棟,床下浸水8棟が確認された。交通障害として,球磨川にかかる球磨大橋の車道がゆがみ,通行止めとなった。インフラ障害として,県内各地で停電が発生したほか,あさぎり町では800世帯以上で断水が発生した。

㉗ 大分県では,人的被害として重傷者4名,軽傷者9名が確認された。住家被害としては,全壊6棟,半壊10棟,一部破損312棟,床上浸水25棟,床下浸水47棟が確認された。交通障害として,JR在来線や特急の運転見合わせ,各路線バスや高速バスの運休が発生し,高速道路や県管理道路の多くの区間で通行止めが発生した。また,がけ崩れ5件,土石流2件,地すべり1件の土砂被害も報告された。インフラ障害として,停電(約2万6千戸)や断水(約1700戸)も発生した。

㉘ 宮崎県では,人的被害として死者3名,重傷者3名,軽傷者22名が確認された。住家被害としては,全壊9棟,半壊212棟,一部破損707棟,床上浸水580棟,床下浸水540棟が確認された。交通障害として,県道や国道で倒木・崩土・冠水等が発生し,64路線81区間で通行止めが発生し,JRはほとんどの路線で運転見合わせとなった。インフラ障害としては,約5万8000戸で停電が発生した。

㉙ 鹿児島県では,人的被害として重傷者2名,軽傷者16名が確認された。住家被害としては,全壊1棟,半壊8棟,一部破損646棟,床上浸水1棟,床下浸水46棟が確認された。交通関係では,国・県管理道路と高速道路合わせて最大68か所で通行止めが発生した。JR九州新幹線・在来線,肥薩おれんじ鉄道,県内の各路線バスも運行見合わせや運休となった。船舶も運転見合わせとなり,鹿児島空港発着の航空機も欠航となった。インフラ障害として,県内各地の約12万8000戸で停電が発生し,霧島市や屋久島町では一時断水も発生した。

㉚ 沖縄県では,人的被害として軽傷者1名が確認された。

[気象・海象状況]

台風が鹿児島県に上陸した18日,九州地方では大荒れの天気となった。鹿児島県尾之間で最大瞬間風速43.5 m/s,宮崎県日向で27.4 m/s,神門で24.6 m/s,小林で41.1 m/s,大分県蒲江で50.4 m/s,長崎県芦辺で32.7 m/s,佐賀県唐津で44.1 m/s など各地で観測史上1位の風を記録した。また,少し離れた広島県本郷でも27.8 m/s の観測史上1位の最大瞬間風速を観測した。宮崎県と熊本県では線状降水帯が発生し,宮崎県田野で日雨量349.5 mm,諸塚村で575.0 mm,神門で694.5 mm,熊本県湯前横谷で453.0 mmと,それぞれ観測史上1位の値を更新した。また,熊本県や鹿児島県の九州南部地方の複数地点で9月の観測史上1位の日雨量を観測した。また,海も荒れて,大分県佐伯で144 cmの過去最高潮位を観測し,鹿児島県種子島では189 cmの潮位を観測した。深夜~翌19日に台風は中国・四国地方に接近し,愛媛県久万で最大瞬間風速28.4 m/s,四国中央で47.4 m/sの観測史上最大の風を観測し,久万では日雨量281.5 mm,広島県内黒山でも304.5 mm,山口県鹿野でも245.5 mmと3地点で観測史上最大を記録した。